「交渉は勝負事ではありません。相手を打ち負かすのではなく、双方が納得して次のステップに進むためのものです」
こう話すのは、建設技術コンサルタントの降籏達生氏だ。建設業に限らず、ビジネスでの交渉は相手と〈Win-Win〉の関係を築き信頼を深めて、その後の仕事を円滑に進めるのが目的だ。立場や考えが異なる者同士、一方的な折衝ではいい結果は生まれないだろう。
降籏氏は悪い交渉の進め方として①攻撃的な交渉、②受け身な交渉を挙げた。
「前者は自分の言い分を押し付けようとする強い交渉です。後者はそれとは逆で、遠慮し過ぎて相手に合わせてしまう、弱い交渉です」
強い交渉をすれば要求は通りやすくなるかもしれない。しかし、自分だけが利益を得る〈Win-Lose(自分の勝ち・相手の負け)〉につながり、相手との関係を損なうおそれがある。弱い交渉をすると相手の要求を一方的にのんでしまって、〈Lose-Win(自分の負け・相手の勝ち)〉になり、こちらが不利な状況に置かれるだろう。
交渉の進め方としては、その中間の「アサーティブな交渉」がよいと降籏氏は言う。アサーティブとは「自己主張する」という意味だが、一方的に主張するのではなく、相手を尊重しつつ適切に主張することをいう。
「お互いを尊重しながら意見を交わす、アサーティブ・コミュニケーションという手法があります。一方的にならず相手を尊重する姿勢を双方が維持できればいい結果につながりやすくなるでしょう」








