住友建機株式会社SUMITOMO

資材の積み降ろしの路上駐車。
誠実さを見せるだけで苦情激減!

Q

いまの工事現場が住宅の立ち並ぶ狭い場所で、資材の運搬などでやむを得ず路上駐車することになり、近隣住民からの苦情が多く困っています。こうした場合、どのように対応したら苦情を減らして、トラブルなく工事を進めることができるのでしょうか。

A

イラスト 佐藤竹右衛門

住宅街で行う工事の苦情の多くは、騒音や振動に関わることです。そのため、まず近隣説明会で騒音の程度と対策、作業時間帯などを理解してもらうことが最も重要です。

このように騒音や振動に気を遣っても、トラックなどの駐車に対しては「短時間だから大丈夫」と思い込んでしまうケースが少なくありません。これがトラブルの原因になるのです。それでは、どのように対応すればいいのでしょうか。

結論から申し上げると、住民に「感情的に良い会社」と思わせることです。資材を降ろしたり、土砂などを積んだりする際、一時的に路上駐車することはやむを得ません。しかし、その際、トラックの後ろに看板を立てて「ただいま荷降ろし中でご迷惑をおかけしています。終わったらすぐに移動します」などの文言を書き入れておくだけで、不満を多少とも取り除く効果があります。

同時に、できるだけ交通誘導員を配置して、片側だけでも安全かつ円滑に通行できるようにしなければなりません。駐車禁止の区域で、看板も立てず工事車両が停車していると、一時的でも通報されることがあります。そうなると施工会社だけでなく、発注者にも迷惑がかかる場合があります。例えば、公共工事では住民から発注者の行政に苦情が行くと、施工会社の評価が下がり、次の入札で不利になります。

駐車の仕方1つでも印象は変わってきます。仮囲いギリギリまで詰めて、まっすぐきれいに駐車していると、建設中の建物まで価値が高く見えるものですが、いい加減に斜めに駐車したり、荷降ろしした資材を粗雑に置いたりすると、建物も安っぽく見えるものです。
工事車両や資材は、画家にとっての絵筆や絵具と同じ。「良い作品」を作ろうと思えば、決して粗雑には扱えないはずです。「工事は作品作りだ」と従業員に教育している会社もあります。
駐車可能な場所でも、こうした配慮は必要です。コーン標識で区分けし、車両をきれいに並べておけば、近隣住民の見る目も変わるでしょう。

また、土砂の運搬では道路が土で汚れることが多く、放置すると苦情の原因になります。毎日、工事が終了する度に清掃するようにしましょう。
「常に現場は見られている」という意識が大切で、車両や資材の置き方で建設会社の姿勢が問われます。信頼される会社ならば施主も喜ぶし、建物の価値も上がるでしょう。

ゼネコンやハウスメーカーでは、誘導員も含めて教育を施している会社もあり、現場を見るとすぐにわかります。漫然と旗を振っている誘導員ではトラブルを引き起こしかねず、メリハリのあるしっかりした誘導が、安全面からも重要です。地元工務店では、こうした意識が希薄な事業者も少なくないので、注意したいものです。

解説

中村秀樹(なかむら・ひでき)

ワンダーベル合同会社 建設コンサルティング&教育
名古屋工業大学土木工学科卒業。大手ゼネコンにて高速道路、新幹線の橋梁工事などに従事。
建設マネジメントの実践、建設技術者教育で活躍。