最近は熱中症対策アイテムを活用する現場も増えている。ファン付きの空調ベストはその代表的な例だろう。空調ベストは「確実に効果はある」と齊藤氏。しかし次のようなことを付け加えた。
「汗を蒸発させて体温を下げる効果はあるものの、過信は禁物です。これだけで熱中症を完全に防げるわけではなく、空調ベストを着用していたにもかかわらず、発症してしまった事例は少なくありません」
空調ベストを着ているからといって無理をしてはいけない。また、こうしたウェアの多くは充電式バッテリーで動いているため、万が一、作業中にバッテリーが切れてしまえばファンが止まり、衣服内が一気に猛烈な暑さになってしまう恐れがある。
「しっかり充電できていなかったというケースだけではなく、長年使用しているためにバッテリーが寿命を迎えていることにも気付かず、現場に持ち込んでしまう例もあります。その結果、『いざ使ってみたら2~3時間でバッテリーが切れてしまった』というトラブルも実際に起きているようです」
空調ベストを着て、重機などの運転台に乗るケースもあるだろう。
「密閉された運転台の場合、中が高温になっていることがあります。その状態で使ってしまうと熱風を送り込んでしまうことになるので逆効果です」
バッテリーの状態を万全にしておくだけでなく、使用する環境にも注意する必要がある。