住友建機株式会社SUMITOMO

住友建機のICT施工

工期1ヵ月短縮、燃費3割向上を実現!
水中作業の最強パートナー

代表取締役 赤嶺敬介氏

株式会社京和土建

(沖縄県那覇市字識名)

沖縄県において、浚渫工事にICT建機を初めて導入したのが、株式会社京和土建。先行事例がないなか乗り出したのは強い危機感からだ。
社員へのフォロー体制を整え、成果を上げ続けている。

作業効率が大幅アップ

同社の ICT 建機は、高度な防水処理を施したマリン仕様になっている。

「自分もICT 建機に乗りたい」というオペレーターが多いそうだ。オペレーター:宮平博文氏

沖縄県那覇市に拠点を置く株式会社京和土建の代表取締役・赤嶺敬介氏は「これからの時代、なにか光る技術・商品・人材がないと生き残れない」と考え、浚渫工事における「光る技術」としてICT建機を2020年に導入した。

常務取締役であり社内のICT推進チームリーダーを務める糸数潔氏は、ICT機の魅了についてこう話す。

「浚渫工事ではショベルで川底を掘削するのですが、目視できないため、図面通り掘り進めるには、オペレーターに相当な技量が求められます。しかも河口付近の工事では、潮の満ち引きが作業の手間を増やし、難易度も高めていました」

水上に浮かんだ作業台船にショベルを固定して作業するのだが、通常は潮位の変化を確認するため、10分間隔で作業を止めて潮位板を目視し、掘削の深さを調整しなければならない。

「その点、3DMCなら事前に入力した3次元設計データをもとにX、Y、Z軸でバケット操作を半自動制御してくれるので、潮位確認のために作業を止めることなく工事を進めることができます。おかげで、現在稼働している現場では、以前であれば1日10mほどしか進められなかった作業が、ICT建機を使うことで30mも進められるんですよ。しかも、図面との誤差がほとんどないという高い工事品質を維持できているだけでなく、燃費が約30%向上しているのです」(糸数氏)

3Dデータ作成で女性が活躍

データ作成・修正は女性社員が担当。

3次元設計データの作成については、現状、設計会社に外注している。ただ今後、内製化するためにデータ作成担当者を育成中だ。女性社員を対象に月1回メーカーのインストラクターを招いて勉強会を開いている。3Dデータ作成は繊細さが求められる作業なので、女性の方が向いていると考えたためだ。

「それにデータ作成業務を人事評価に連動させることで、女性社員にこれまで以上のやりがいを感じてもらいたいのです。女性活躍という意味でも、ICT建機導入は社内の活性化に貢献してくれています」と赤嶺氏は話す。

工期短縮により顧客評価が高まる

遠隔モニタリングシステム「ビジョンリンク」を確認中の糸数潔氏。「設計の高さより5cm 高いエリアが何%ある」など細かいデ ータを発注者や元請けも共有が可能。その点も「進捗状況を把握しやすい」と高評価につながっている。

沖縄県内の浚渫工事でICT建機を使ったのは、京和土建が最初だった。そのため、対顧客という点でもプラスの影響が出ていると糸数氏は説明する。

「現在稼働している現場は、当初5カ月の工期を予定していましたが、4カ月で終えられそうです。工期の1カ月短縮は、元請けと発注者双方からかなり評価いただいています」

ICT建機に対する顧客サイドの前向きな姿勢も感じている。

「ICT建機はランニングコストもかかります。そこで、元請けに出す見積書はICT建機を使う場合と使わない場合の2種類を提示したところ、使用する方で即決いただけました。今後、3次元データ作成の内製化が成れば、さらに受注単価を上げることができるはずです」

今後は、浚渫工事についてICT建機の活用をさらに推進していくことが予想される。そのため、いち早く実績をつくっておくことは、さらなる成長への起爆剤になるはずだ。