住友建機株式会社SUMITOMO

住友建機のICT施工

ICT施工情報誌「ICT Magazine」

人手不足の解消
さらに売り上げ約2倍を達成!

山根建設株式会社(香川県)

慢性的な働き手不足に悩む中小企業。
しかし、ICT建機の導入でそうした課題を払拭した会社もある。
今回は、人員を増やさず効率化に成功した、香川県の山根建設を訪ねた。

なぜ、ICT建機を導入したのか

「従業員を採用したくても思うように人が集まらなかった」

23歳で山根建設を立ち上げた代表取締役の山根真司氏は、業界の働き手不足に危機感を感じていた一人だ。常に「人を増やさず生産性を向上させるにはどうしたらいいか」を考え、5年ほど前にICT建機に出合ったという。
「最初は正直、どういうものかよくわからなかった。実際に自分で乗って、担当者の話を聞くうちに“これだ”と確信できたんです」

従来の建機は10年以上の経験を積んだ熟練工でなければ、コントロールが難しい。ところが、ICT建機を使うと初心者でも1カ月~2カ月の訓練で熟練工と同じ仕事ができる。若い世代がベテランと同じ仕事をできれば、労働力不足を補えるのは明白だ。現に同社は5年間、新規採用をしていない。

人員を増やさず売上倍増のワケ

実際に導入すると、ICT建機は同社の人手不足解消に対して、最大限の力を発揮した。これまでは建機の周囲に人を配置する必要があったが、現在ではオペレータが一人で作業できるようになったわけだ。これだけでも生産性向上に期待が持てるが、実情はさらにめざましいものだった。

「工期の短縮と安全性の向上で、売上を約4億円から7億2000万円まで増やすことができました」

驚くことに、売上が2倍近くになったのだ。しかも、11名の従業員から1名たりとも増員していないという。人手不足を補うためのICT建機導入が、工期の短縮や安全性の向上をもたらし、受注が殺到したのだ。

ICT導入に成功した同社ではあるが、初期投資を必要とする以上、大きなチャレンジであったに違いない。社員はどうとらえていたのだろうか。現在、図面データ化を担当するICT事業部部長の鈴木茂生氏は語る。

「この地域では初めての取り組みでしたから、社長も“失敗しながら覚えていけ”と言ってくれました。おかげで落ち着いて取り組めたのがよかったと思います」

社長を中心とした全社的なチャレンジ精神が見て取れる。

ICT施工ではデータ作成者とオペレータとのコミュニケーションが重要になってくる。オペレータの藤沢隆史氏はデータ作成者との意思疎通によって、作業に自信を持っている様子だ。

「なんといっても迷わず作業ができます。結果的に作業スピードが断然速くなりました。しかも、誤差がなく正確に仕上げることができるのです」

山根氏の目標は、自社を地域トップの建設会社にすること。ICT建機は、そのために欠かせないパートナーだ。今後も「効率的で安全な現場」をアピールすれば、業界を希望する若者を増やしていくことにもなるだろう。

ICT建機の活用もあって、社業が軌道に乗っている同社の前途は、ますます明るいようだ。

なぜ売上が2倍に?
作業が速くなり、効率アップを図れたからです。安全性も高まり、その点を重視する大手建設会社からの大型案件の受注も増えました。
作業前の準備が大変?
簡単なものなら、朝に図面を受け取ってデータ化して、午後からは現場で作業することもできます。

代表取締役 山根真司氏

山根建設株式会社

所在地 香川県高松市
設立 2006年(創業 1997年)
資本金 980万円
従業員数 11名
事業内容 一般工事、基礎工事、造成工事、解体工事、エクステリア