住友建機株式会社SUMITOMO

住友建機のICT施工

低コストで高品質追求を戦略化するために……
民間工事に“最新技術”導入!

代表取締役社長 池田政基氏

池田建設工業株式会社

(石川県羽咋郡志賀町)

生産性をアップさせる三つのメリット

11段ある広大なのり面もオペレーター1人で作業が可能に。こうした現場では、とくにマシンコントロールの有効性を実感しているという。稼働する3DマシンコントロールSH200-7(3D-MC)。

ベテランオペレーターでもある田上工事部長。「ここは岩盤が硬く、条件に応じて自動施工と手動とを手元のレバーで切り替えられるのはありがたい。大きなモニターで施工や周囲の状況も把握できるので安心です」

石川県で最初に自前のICT建機による情報化施工に乗り出した池田建設工業。池田政基社長はその狙いを、「国土交通省や県も入札の参加条件にICT施工を加えていくだろうという時代の流れを見て、他社に先駆けるのが最善だと判断したのです」と説明する。

ICT建機導入のメリットについて、池田専務は大きく3点をあげる。一つは機械で現場を管理できること。ICT建機はオペレーター1人での半自動施工が可能。測量や丁張りの手間が省けるほか、掘削などの作業中も建機の周りで高さの確認を行う作業員が不要になる。

二つ目は、人材不足を補えること。ICT建機の活用で、限られた人材でより多くの現場を回せるようになったという。

三つ目は人材育成である。その理由について「ICT建機を通じて施工技術が早く習得できます。従来は10年、20年かかった技術を3~5年でマスター可能となり、若いオペレーターが育つ時間が短縮できます」と池田政人専務。

ICT導入の効果を実感

測量記録をもとに造成地の3次元設計データを作成する池田専務。

「工期は1割ほど短縮でき、人件費なども含めたトータルの生産性は2割近くアップしました。元請けなど発注者側からも、人員配置の合理化につながるなど評価されています。今後、ICT施工による仕事は確実に増えていくと考えています」と池田専務は評価する。

池田建設工業は2020年、創業53年を迎えた。社長と専務の父である池田等会長が1967年にブルドーザー1台、たった1人で立ち上げた池田組は、いまや従業員数90人を超える大所帯に。

業務内容も拡大、一般土木、重機請負、建設工事と幅広く展開する。国土交通省や地方公共団体などからの受注を中心に、19年5月期の売上高は過去最高の58億4000万円を記録した。

躍進のワケは創意と技術!

ベテランオペレーターでもある田上工事部長。「ここは岩盤が硬く、条件に応じて自動施工と手動とを手元のレバーで切り替えられるのはありがたい。大きなモニターで施工や周囲の状況も把握できるので安心です」

同社の社訓は「常に新しきを求め、脱皮を計り、前進せよ!」であり、国が推進する「i-Construction」への対応にもそれが表れている。

現在、池田建設工業が手がける現場の4割でICT施工が行われており、造成に限っていえば100%だという。公共工事で主に先行しているICT導入だが、同社では民間工事にも取り入れている。池田社長は「公共か民間かは関係なく、積極的にICT建機を採用していく方針です」と話す。

橋爪貴世志執行役員土木部次長は、「当社は低コストで高品質を追求することを戦略化しています。その実現には最新技術への取り組みを増やすことが必須であり、ここは民間工事ですが、ICT施工を導入しています。確実に発注者や元請けの評価は上がっていますね」と説明。

現在、池田建設工業が手がける現場の4割でICT施工が行われ、民間工事でも引き合い段階でICT施工を提案している。