住友建機株式会社SUMITOMO

みちのくバイオエナジー株式会社(青森県)

木と電気が共生する
エネルギーで未来を照らす

バイオマス発電所のため木質燃料の供給を推進

 みちのくバイオエナジー株式会社が所在する八戸市は、本州最北端青森県の東に位置し、人口は約23万人で県内第2位、太平洋に向かって開く八戸港を中心としたベイエリアに大手の製紙工場や鉄鋼関係の工場などが立ち並び、県内屈指の工業都市として発展してきた。

 同社は、平成26年10月に住友林業の100%出資により、昨年4月より隣接地で運転を開始した八戸バイオマス発電所の木質燃料供給を業務目的として設立された。八戸バイオマス発電所も、みちのくバイオエナジー社と同時期に住友林業52%、住友大阪セメント30%、JR東日本18%の出資比率で設立され、バイオマス100%を燃料として12.4MW(12,400kw)の発電規模を有している。

 今回、みちのくバイオエナジー社の八田堅嗣代表取締役と、同社の設立当初から尽力された、葉勝億業務課長からお話を伺った。

 「バイオマス発電所の開設にはいくつかの必要条件があり、その条件のどれひとつ欠けても開設は困難になってしまいます。この場所は、工業地域であり従来からの取引先の遊休地や隣接する八戸市の市有地などを併せて、発電所に適した近隣環境の比較的まとまった広い土地が確保できたこと。工業用水や電気などの系統接続が容易だったこと。原材料になる木質資源が入手確保しやすいこと。原材料は基本的に地元の木質資源ですが、燃焼効率を高めるためPKS(パーム椰子殼)を輸入するので港湾が近いことなど。そのすべての条件をクリアした場所がここでした。現在、弊社から発電所へ供給している木質燃料は年間チップ9万t、バーク2万t、PKS2万tです。

 集材エリアは、青森県内では八甲田山の東側、下北半島全域、岩手県の北部、だいたい100km圏内。青森県の森林面積は約64万haで県土の66%を占めていますが、生産量はそれほど多くなく木質資源の生産余力がまだまだあると考えていましたが、近年周辺の発電所の開設などで、徐々に木質原料が不足しはじめてきています。原料丸太は発電所に隣接する河原木事業地と20kmほど南に位置する南郷事業地の2か所の生産拠点で4万tほどストックしていますが、枝葉や短尺材などの林地未利用木材の集荷推進とバークの燃料利用にも取り組んでいます。」

住友建機の機械を選定した理由とは

 現在、同社には住友建機の機械を3台お使いいただいているが、その選定理由についてお尋ねした。

「SH135は導入当時から担当営業の方が詳細な情報を提供してくれた事と、土場で丸太のハンドリングをするのに必要十分な性能を備えていたので選びました。SH120LC-7MHのエレベーターキャブ仕様は、運転席が2.3mも上がり、腕も長く、弊社の希望する作業効率や安全性にあった機種なので選定しました。」

 運営面でのご苦労をお聞きしたが「青森県の県民性なのでしょうか、この事業に際してお会いした方々、事業のパートナーとなった各社や関係各省庁の担当者の方、協力業者の社員の方まで、皆さん真面目で粘り強く誠実な方ばかりで、そのご助力には感謝するばかりです。私たちも、事業を通じて何としてもこの地域に寄与、貢献したいと強く思っています。」

レポート
北海道東北統括部 十和田営業所
中嶌 光広