住友建機株式会社SUMITOMO

竹上木材株式会社(和歌山県)

Make a Forest Future
<森林の未来を創造する>

創業70余年の原木丸太の生産と、最新技術を駆使した山林管理事業を推進

 竹上木材株式会社の所在する和歌山県有田川町は、「有田みかん」を始め柑橘類の生産で有名だが、元々林業も盛んな土地柄である。その地で昭和22年に同社は、足場丸太製造を主な業務として現社長の祖父によって創業された。その後昭和50年代の高度成長期には住宅の構造用材の丸太生産へと移行した。事業は現社長の父が継承し順調に発展を遂げ、平成24年に法人登記されて現社名となった。平成30年、竹上(タケウエ)光明氏が代表取締役に就任し現在に至っている。

 その具体的な事業内容などを竹上光明代表取締役にお話しいただいた。

 「弊社は創業以来、原木丸太の生産を70余年続けると同時に、近年では約100名の山林所有者の方々と委託契約を結び、GPSやGISなどの最新技術を駆使して山林管理事業や造林事業、その他特殊伐採事業などを行っています。

 社員は、全員で11名。そのうち現場スタッフが8名です。機械化を進めたせいか、近年ではIターンなど若い社員が増え、今では女性社員も現場で働いてくれています。創業当時から培ってきた技術は平均年齢37歳の若いスタッフにも受け継がれていて、新しい技術とあわせ事業を進めています。」

急峻な山林でも力強い住友の機械で、山の資産価値を高め利益に還元

 「年間生産量は皆伐、間伐あわせて約8,000㎥。樹種はスギ60%、ヒノキが40%になります。生産量や生産力の向上を目的に積極的に導入した結果、所有する高性能林業機械は、グラップルが12t2台、7t2台、3t1台、ハーベスタはSH135X-6 KESLA ストロークハーベスタ25SH、あと昨年12月に導入した最新式のSH135X-7 KESLAローラーハーベスタ25RHmkⅡをあわせて計7台となりました。他社製と比較して油圧流量が多くアタッチメントがスムーズに動いてくれるところや、急峻な山林でも、すいすい登る登はん力の強さから1台を除いて全車が住友建機社製です。以前導入したKESLA製ストローク式ハーベスタが良かったことから、ローラー式を導入しましたが、コンピューターが一新されたせいか切断や送材が速く、今後は頼もしい存在となりそうです。

 木材価格の低迷が長期化している現在は、所有者様の「山離れ」がすすんでいて、山林の資産としての位置づけが低くなっているように思います。わたしたちは、このような現状を危機として捉え、GISやGPSを活用した森林管理システムによる事業の集約化や、低コスト化などを進め、より多くの利益を還元することで、約800haの山林所有者様との関係を築いてきました。山林のインフラ整備と位置づけ開発したオリジナル作業道も、その一つです。今後も新しい技術や生産性の高い高性能林業機械を積極的に導入し続けていくことで、資産活用のお手伝いができればと考えています。

 私は今も現場に出ています。以前は整備された山林が少なかったのですが、多くの山林所有者様にお会いして弊社の事業をご理解いただいたことで、整備された山林が徐々に増えてきたように感じていますし、整備した山林を見て喜んでおられる所有者様がたくさんいます。山林の将来を見据えて整備した山林が、今後もどんどん増えていき、大切な資産として次の世代に継承される。このことが、私にとって一番嬉しいですね。」

レポート
関西統括部 大阪支店
西村 崇俊