住友建機株式会社SUMITOMO

井上産業株式会社(北海道)

雄大な自然の恩恵に
感謝して生きる

北海道東部の広大な山林で産出される良質な木材で事業拡大

 井上産業株式会社が所在する紋別郡遠軽町は、北海道北東部オホーツク総合振興局管内の内陸の町である。人口は約20,000人。面積は約1,332k㎡で市町村として全国9位の広い町域だが、湧別川沿いの平地を除きその大半は山林である。

 今回この地で父子三代にわたり、林業と製材業を営まれてきた井上産業株式会社の井上英雄代表取締役にお話を伺うことができた。

 「井上産業株式会社は、昭和14年に父によって前身の井上産業社として創立されました。当初は丸太の仲買が主な業務でしたが、中湧別にいた伯父が鉛筆の軸板製造で成功し、それにならい遠軽で鉛筆の軸板工場を開設したのが昭和24年のことです。続いて、生田原に折箱用の経木工場を開設し、復興需要に応じて昭和28年には遠軽に製材工場を開設し建築用製材や広葉樹製材の生産を開始し、製材時に出るオガ屑を原料にして燃料用オガ炭工場を増設しました。当時この地域ではマカバ、ミズナラ、シナなどの広葉樹やクロエゾマツ、アカエゾマツ、トドマツ、イチイなどの針葉樹の天然林が広がり、産出される良質で豊富な木材資源を背景に事業を拡大していきました。高度成長期を迎えてからは製紙工場向けのチップ工場を昭和33年に増設し、住宅建築需要の高まりに伴い、遠軽以外にも旭川、滝上と木材が入手しやすい土地に工場を開設し、立木を自社で造材して事業を行っていました。マイホームブームなど旺盛な国内需要に応え、遠軽に家具や内装材用のミズナラ、タモ、セン単板の突板工場も増設しました。ただ、広葉樹製材に関して、国内でのミズナラなどの高級家具用木材の需要は少なく、ベルギーなどのヨーロッパ諸国に輸出していました。そうして、事業は拡大したのですが、昭和60年頃から、北海道の豊かな天然林からの木材供給が徐々に減少し、原料確保のため外材の利用を始めました。もちろん当時から伐採後の植林はしていましたが、伐採のスピードは、樹木の成長よりずっと速かったわけです。

要望を反映してくれる住友建機の使用増加

 越智重機林業が所在する上川郡下川町は、町面積の約90%を森林が占め、農林業を主産業とする町である。かつては鉱業も盛んで、下川銅山が稼働していた頃は人口も15,000人を超え鉱山の町として繁栄していた。1980年代に鉱山が閉鎖されて以降、過疎化が進み現在では人口も3,000人余りに減少している。
 ここ下川町で40年間、林業一筋に歩んでこられた越智重機林業の代表者 越智一博様にお話しを聞かせていただいた。


「下川町は林業の町といわれていますが、以前は9社あった林業関係の会社も、今は弊社と森林組合と後もう1社の3社だけになっています。

弊社の概要は、作業員は私を含めて5人。素材生産量は、昨年は皆伐の仕事があったので17,000㎥ほどありましたが、例年は12,000~13,000㎥です。内訳は、道有林40%、町有林20%、国有林10%、民有林30%くらいの比率です。施業範囲は下川町、上川北部、美深町になります。

上川郡全域で同じ場所で大きくまとまった仕事がないので、移動が多く効率は悪いです。所有している機械は、グラップル4台、フェラバンチャ2台、ハーベスタ3台、フォワーダ4台になります。

機械のメーカーは特に決めていませんが、最近は住友建機のものが増えています。こちらが提案した要望などが、機械に反映されているのがありがたいですね。

レポート
北海道東北統括部 旭川支店
近藤 浩幸