住友建機株式会社SUMITOMO

株式会社柳沢林業(長野県)

山の恵みを提供する
オンリーワンの
会社を目指して

松の皆伐をきっかけに、住友建機の機械を導入

 株式会社柳沢林業は、昭和39年 長野県中信地方松本平の地において現柳沢英治取締役会長により木材運搬を目的として個人起業された。その後徐々に主業務を林業へとシフトし、順調に業績を伸ばす。平成24年には法人を設立、翌年原薫が代表取締役に就任、現在に至っている。

 まず、昨年導入いただいた SH135X-7 KESLA25SHmkⅡについて大瀧秀明常務取締役にお話を伺いました。
「昨年の1月にハーベスタを導入したところなので、1年たってようやく作業班2班9名の作業員全員が操作出来るようになり慣れてきたところです。今年になってからはデータを収集しようと設定をし直したりして材積の管理をし始めましたが、内蔵された機能はまだまだ使いきれていない状況です。導入のきっかけは、この数年松枯れの影響で冬場に松の皆伐の仕事が増えてきました。赤松の枝払いにはストローク式が良いと聞いていたので、KESLAなら住友さんというセットのイメージがあったのでお願いしました。素材生産量は、一昨年は4,000㎥でしたが昨年は7,000㎥と導入の成果はあがっています。」

“山の恵み”を街に住む人達に提供したい

 続いて原薫代表取締役にお話を伺いました。「今社員は総勢26名です。林業の素材生産作業員9名の他、町中の特殊伐採の作業員4名、運材営業担当や森林施業プランナー2名、あと薪の販売やキャンプ場の業務委託などいろいろな仕事に携わっています。もともと、本業である素材生産の仕事は100%森林組合の下請けでした。

 森林組合が広域合併し、直営班が増えたので、仕事の獲得も価格も厳しいことになってきました。高性能林業機械を入れて生産性を高め、単価を下げて素材生産量を増やしていくことも考えましたが、いつまでも仕事に追われるような気分や現場を次々とこなすだけの日々に疑問を感じていましたし、自分たちはどんな仕事がしたいのか?どんな暮らしがしたいのか?と話しあった結果、下請け業者から脱却して仕事の質を高めて、木材生産だけではない付加価値の高い林業会社に移行しようと決めました。

 その当時、地域に松枯れが広がってきたのもいろいろなきっかけになりました。林業の世界に入った理由が「木を生かしたい」ということだったので、松枯れで葉が赤くなった大木を切り倒し、薬剤をかけてビニールで覆い山に放置するのは木の墓場をつくっているようでつらかったです。こんな仕事をしたいわけじゃないと思い、この惨状を多くの人に伝えようとしても、大部分の人は無反応で、林業の仕事や森林は、街に住む人達にとって、ほとんど関係がないと思われているのだと感じました。自社で製品企画したものを購入していただくためにも、またいろいろな山の恵みを享受していただくためにも、エンドユーザーにはもっと近い存在であって欲しいと思っています。

 弊社には馬搬用の「ヤマト」という名前の北海道のばんえい競馬から来た馬がいます。まだ馬搬の仕事は、時々しか有りませんが、牧場を開放しているので地域の人たちが「ヤマト」に会いに来てくれるようになりましたし、イベントの時にはマスコットとして活躍してくれています。私は、柳沢林業が山の恵みを多くの人に提供できる会社にしていきたいと思っています。

 多様な山の価値と多様な社員の価値を掛け算できる事業展開をしてオンリーワンの会社になりたいと考えています。」

《レポート》

長野支店 佐藤壽明

パークス甲信越株式会社
松本営業所 伊藤 和哉