住友建機株式会社SUMITOMO

スルガフォレスト株式会社(静岡県)

人・地域・社会に貢献し
企業価値を高める
ことを目指して

都心へのアクセスが良く、温暖なエリアでヒノキを扱う

 スルガフォレスト株式会社のある駿東郡(すんとうぐん)は文字通り旧国名の「駿河国の東端」にあたり、伊豆半島の付け根部分に位置している。長泉町はJR東海道新幹線の三島駅に隣接し、都心へのアクセスが良いことから大手企業の工場や研究所などが散在し、住民の中には東京へ新幹線通勤する人も少なくないという県内でも数少ない、人口増加や地価の上昇が続く自治体である。

 スルガフォレスト株式会社は、この地にて平成22年林業事業体として設立された。設立から十年、順調に業績を伸ばしてこられた創業者の音無 務 代表取締役にお話を伺った。

「法人設立以前は、森林組合に勤務していました。最初はこの仕事を一人で始めたのですが、ある山主の方が自分の山の管理をするように言ってくださり、その仕事をこなしながら徐々に社員も増やし、機械も導入して今日までやって来ることができました。

 現在では社員は7名、施業のテリトリーは静岡県東部一円になります。あと自社林が県内にあるのでそこも施業範囲となっています。このあたりは気候も温暖で年間を通して素材生産が可能な地域です。扱っている樹種は90%以上がヒノキです。このあたりにヒノキが多いのは、ヒノキの植林を推進した時期があったからで、地元では富士ヒノキというブランド名で呼んでいます。」

試乗して、動きや操作性などの性能性向上を実感

 「会社を始めた時に高性能林業機械を導入しましたが、金銭的な観点から中古車両を値段と用途だけで選定したのでちょっと失敗しました。メーカーやスペックへの考慮が足りなかったように思います。中古は故障もよくするし、修理費用もかかるので、長く乗るなら新車が良いと思い始めていた時に住友の営業の方が飛び込みで来られたのが新車を導入するきっかけになりました。以前3型のハーベスタをレンタルして使ったことがあったのですが、その時はあまり良い機械だという印象を持っていませんでした。ただ、営業の方が熱心に勧める6型KESLAハーベスタのデモ機に乗せてもらったのですが、動きも良いし操作性などすべての性能が3型と比較にならないくらい向上していると感じで導入に踏み切りました。

 新車の導入は、2016年の6型のグラップルが最初で、翌年6月には6型KESLAハーベスタを、2019年には7型のフェラバンチャザウルス、そして今年3月に7型のウインチ付のグラップルを導入しました。すべて住友製です。さっきも話しましたように弊社の扱う樹種の90%以上がヒノキなので、KESLAのストロークハーベスタは生産性、枝打ちと材の引き上げ能力を考えるなら不可欠だと考えています。

 ベースマシンも思う通りの操作性で買って満足しています。年間の素材生産量は、昨年度5,000㎥、今年度は、6,000㎥になりそうです。社員の大半は転職組で、林業の仕事が初めての人間もいるので、現在は5人を1チームにして仕事をしています。また完全週休2日制を採用していて、安全第一の丁寧で綺麗な仕事を心がけているのでなかなか数字には反映できませんでした。

 ここ数年は社員の離職もなく、機械の操作や作業手順などスキルアップしてきてくれているので、もう一人人材確保できれば、作業班を2チーム編成にすることで、10,000㎥まで生産量を上げたいと思っています。

 今は自社で森林計画を作成した間伐の仕事が多いので、主伐の仕事量を増やすことで目標の達成は現実的なものになると考えています。そうすることによって、社員が幸せに暮らせるように、福利厚生の充実や給料のベースを上げたいですね。経験と能力に応じた分の給料を払ってあげていきたいと思います。」

レポート:静岡支店 小室 貴弘