住友建機株式会社SUMITOMO

株式会社鹿角緑地(秋田県)

人と人との絆で
北奥羽の森を守る

除間伐から、生産事業へと規模を拡大

 株式会社鹿角緑地の所在する秋田県鹿角市は、県の北東端、青森県、岩手県との県境に位置し、古くから尾去沢鉱山や小坂鉱山など日本でも有数の銅や銀を産出する優良な鉱山によって栄えた町である。天然林の秋田スギが日本三大美林として著名なように、秋田県は森林資源豊かな県であり、その森林面積は県土の72%を占め、83万6千haで全国6位、スギの人工林面積においては国有林、民有林とも全国1位となっている。鹿角市も市域の80%が林野であり、林業が盛んなこの地で創業以来 順調に発展してこられた同社の創業者である取締役栗橋竹弘会長にお話を伺った。

「平成21年に鹿角市花輪地区に移り、法人を設立しましたが、それ以前は同じ市内の八幡平で地ごしらえや植付けなど植林主体の仕事に従事していました。会社設立当初は徐間伐が主な仕事でしたが、生産事業を行い事業規模を拡大したいと考えていました。そんな時に森林組合さんから仕事をいただいている中で素材生産の大きな仕事を発注いただけたことが弊社の転機となりました。当時の弊社の人員や設備では足りない部分もあったので、以前からお付き合いのあった株式会社フジモトの奈良部長からアドバイスを受け、機械のリースなどを手配してもらい仕事を完了しました。その後も森林組合さんから、順調に仕事を請けることができ、リースしていた高性能林業機械も順次導入し、機械化を進めてきました。

 最初に導入したのはSH120-5型、その後、SH135-3型、6型、7型と続き、現在は、ハーベスタ3台、グラップル3台、ザウルス2台、すべて住友機で計8台を所有しています。それに伴い生産量も増加し、昨年度の年間素材生産量は20,000㎥になりました。ただ、私個人の意見としては6型が好きですね。良い機械だと思います。機械も携帯電話のように、新しい機種には多くの機能が増えて、操作が難しくなって使いきれないので、出来るなら、もっとシンプルにして価格を下げて欲しいですね。」

会長の人柄や待遇の良さから多くの入社希望者が

 同社の社員は総勢16名であるが、昨年度の社員募集では全員採用できないほど多くの応募があったという。また、秋田県の業界内では社員の定着率がNo.1だそうだ。その魅力ある会社の秘訣をお話いただきたかったのだが、会長ご自身はあまり自覚されていないようなので、設立以来同社の発展を見て来られた前出の奈良部長に代弁していただいた。

「鹿角緑地の魅力は、会長自ら率先して現場に入り範となっておられるので、社員が会長を信頼していること。また仕事の苦労が理解できるため、社員を慰労し家族のように思っておられること。もちろん給料も福利厚生も同業他社より手厚いこと。飲み会などを頻繁に催すことで社員同士のコミュニケーションがうまくとれていること。機械化を進め、若い人達を機械に乗せて使っていくこと、そんな色々な要素が重なり合って、鹿角緑地さんの魅力になっていると思います。」

 会長に社の将来の展望をお聞きした時も「始業時にいつも皆に言っているのは、人と人とのコミュニケーションをしっかりとることと機械を大切に扱うことの2点です。事故やケガなどをしないことを社員が守り仕事を続けることが、社員が幸せになれることで、会社が発展していくことだと考えています。社員はみんなかわいいですよ。自分の子供のように思っているので、本当にケガや事故なく幸せに過ごして欲しいですね。」と社員の方々を思いやる言葉をいただくことができた。

レポート:秋田支店 高橋 達朗