
静岡市森林組合が所在する静岡市は、静岡県の県庁所在地であり、古くから静岡県の文化、経済の中心地として発展してきた。平成15年の旧清水市との合併により政令指定都市となり、その後旧蒲原町、旧由比町との合併に伴い141,185haと当時全国で一番広い面積の市となった。また全域面積の76%にあたる107,337haが森林であり、ほとんどが、安倍川、藁科川、長尾川等の流域に分布し、比較的急傾斜地の多い地域となっている。森林の96%は民有林であり、その44%が人工林。またその樹種はヒノキ林67%スギ林26%を占める林分構成となっている。
今回森林組合の吉澤修一代表理事組合長にお時間をいただき、まず組合の成り立ちや事業内容についてお話しいただいた。
「静岡市森林組合は昭和57年に旧静岡市森林組合、旧安倍森林組合、藁科森林組合の3組合が、管轄の広域化が有意義性を考慮し合併、設立されました。現在の静岡市は葵区、駿河区、清水区の3区からなり、静岡市森林組合、清水森林組合、井川森林組合の3組合が市域を分割し管理しています。
静岡市森林組合の管轄する地域は、静岡市内の清水区と葵区の旧安倍郡井川村を除いた地域になります。組合内民有林面積は43,000haで市全体の約40%の広大な森林面積を有しています。
現在の組合員数は1,250名余り、職員の内訳は、事務職11名、技術職12名です。所有機械はハーベスタ1台、グラップル5台、フォワーダ2台、ミニ1台の計9台です。組合の事業としては、皆伐、間伐による素材生産を行う林産事業、植林や下刈、間伐、枝打ちなどの保育を行う森林整備事業、山林所有者から依頼をうけて作業道を開設する路網事業、不在地主や相続によって曖昧になってしまった境界の確定に努める地籍調査事業、などが上げられます。
組合設立当初は、素材生産の林産事業が主体でしたが、近年では自然災害による土砂流出の防備や水源涵養といった森林の公益的機能を高める事業など多岐にわたっています。」