住友建機株式会社SUMITOMO

福岡都市開発(福岡県)

循環、
そして再生へ

九州一円で伐採工事をメインとした事業展開

 福岡都市開発株式会社は、平成17年に産業廃棄物の収集・運搬・処分や建築物解体工事、土木建築工事、伐採工事などを営業目的として設立された。現在、福岡県糟屋郡須恵町にある福岡本社のほか、熊本と大分に支店を設け九州一円で営業活動を行われている。
 同社の北方紀史代表取締役にお話を伺うことができた。
「設立当時は、建築物の解体とそれに伴う産業廃棄物の関係の事業がメインでしたが、5年前から、土木・建設工事にかかわる樹木の伐採が業務の主軸になっています。比率でいうと80~90%を伐採工事が占めています。砂防工事やダム工事、宅地造成、太陽光発電用地の開発造成などでは伐採木が大量に発生します。弊社では伐採工事から収集運搬・処分・リサイクルまで一貫して承っています。また、移動式の破砕機を現場に持ち込み、その場で破砕処理を行うことで伐採木の再利用(マルチング材や法面緑化用の吹付け基材)や弊社独自の買取システムを利用してローコストを実現可能にしています。」

若い社員たちは住友のファンが多く好感触の声

 次に社員の人数や使われている機械についてお聞きした。
 「今11名の社員がいます。その内訳は営業が4名、現場6名、事務1名となっています。現場6名の社員の平均年齢は32~33歳、まだまだ若く、経験豊富とはいえませんが、彼らを信頼して、現場内での施工に関することは自分で考え判断するよう指示しています。現場をまかせて自分で考えてもらう方が、仕事が早く身に付くように感じます。弊社所有の機械は14台あり、そのうち10台が林業用です。
 ハーベスタ、ザウルス、木材用グラップル、フェラバンチャー、フォワーダなどです。弊社には住友ファンが多くいます。乗りやすいし、実際使ってみてよかったと現場から声があがってきています。」
 これまで苦労されたことや今後の展望は?の問いに「苦労とかを感じたことはありませんが、弊社はゼネコンの下請けとして現場に入ることが多かったので、軸足は林業ではなく建設業にあると感じています。弊社の下請けしていただいている協力業者の林業家の方たちは、工程管理や繁雑な書類業務などが苦手で、嫌がられています。
 始業時の朝礼や作業確認、機械の始業点検などもわずらわしいと思っているようです。林業には、良くも悪くもざっくりしたところがありますが、建設業界の細かな作業管理を取り入れることが、作業の安全性や生産効率を上げ、売上の増加となり、その対価として自分たちの収入に反映されることを理解していただきたいですね。ただ、林業家の方たちに驚くのは山に入った時です。木の扱い方や作業道の作り方など非常に細やかな仕事をされるので、まだまだ教えていただくことがたくさんあると頭が下がります。
 将来的には、植林も視野にいれた素材生産業の分野を拡大させたいと考えています。樹木を伐採して人工物を作る一端を担うことは、企業として社会貢献していることですが、植林し、木を育て、山を守るといった自然を大切にする環境への貢献ができ、社員のやりがいのある職場を造りたいと思います。林業界も建設業界も人材不足です。作業の危険性や仕事の内容に比して賃金ベースはまだまだ低いと感じています。ひとつひとつ問題を解決することで若い人たちが就業できる環境を作っていきたいと思います。」
●レポート 福岡支店 渡邊 伸二