住友建機株式会社SUMITOMO

守岡林産(広島県)

若い力で林業の
未来を切り拓く

山の将来を考えた「きれいな仕事」を念頭に操業

 株式会社守岡林産は広島県の北部、島根県との県境にほど近い山間の町、三次市作木町で平成23年に創業された新しい会社である。創業者である現社長、林業の申し子のような名前を持つ「守岡伸樹(もりおかしんじゅ)代表取締役」が、高校卒業後、製造業、運送業など他業種で活躍された後、当時の布野村森林組合(現、三次地方森林組合)に勤務されたのが林業の道に入る契機であった。かつて森林組合に勤務された経歴を持つ父親から、林業の現場の厳しさを説かれ反対されたが、林業はまさに自分にとっての天職だったのか、つらいはずの現場仕事が楽しくてしかたなかったそうだ。その後10年余り森林組合で経験を積み、独立され今年9月で創業6周年。その間いろいろな小さな苦労はあったものの社業は驚くほど順調で、従業員も増え、重機も揃い今後ますますの発展が期待される体制が整いつつある。

 守岡社長に成功の秘訣を伺っても、特に意識されていることが無いのか、明確な回答は得られなかった。「創業時から周囲の人達に気にかけてもらい、援けてもらえたこと。」あと「年次目標を決めてそれを着実に達成してきたこと。たとえば、個人から法人へ。法人から、広島県の認定事業体へ。昨年10,000㎥弱だった生産量を今年度は15,000㎥にする。」等々。
 インタビューの間、社長は何度か「きれいな仕事を心がけている」と語られた。
 「たとえば、間伐をしても、残存木に傷をつけたりしないように、山に入ったら、きれいにして出る。同時に機械を大切にすること。機械を大切に扱えば無理をしなくなり事故にもつながらない。山の将来を考え、自分も含め社員のみんなが、ずっと続けていける林業を目指しています。林業の仕事は飽きないですね。出会う山はみんな違った形をしていて、植わっている木の種類も違う、それを見ながらどうすれば、早くきれいな作業ができるか考えるのが楽しいですね。」

高性能林業機械はサービス体制が選定ポイント

 今も自ら重機を操作し先陣をきって現場作業されているという守岡社長に高性能林業機械の選定のポイントをお聞きした。「一番はメンテナンスも含めてサービス体制でしょうね。住友の山西君に絶対的な信頼を置いています。機械は従業員の安全と労力の軽減や生産性のアップを考えたら不可欠で、今後はずっと住友さんオンリーにするつもりです。」とお褒めの言葉がいただけた。
 今回のインタビューで、一番感じたことは守岡社長の生まれ育った地域への愛情だ。生まれてから、今日まで何気なしに仰ぎ見てきた山や森を大切にしたい気持ちがベースにあり、日々出会ってきた人々とのふれあいを大切にしてきたから、周囲の人達を信頼し、信頼されているという強い繋がりが、現在の守岡林産の成功に結びついているのではと感じた。
●レポート 広島支店  宇野 功一