
雄勝広域森林組合は、秋田県最南端の内陸部、雄物川水系の源流に位置し、岩手県、宮城県、山形県との三県に隣接する地域である。 平成9年12月に湯沢・雄勝地区の雄勝地方、院内、明治、皆瀬村、東成瀬村の5森林組合が広域合併して設立されその後、平成14年に 秋の宮森林組合が参加して現在に至っている。
森林組合の規模としては、総土地面積124,905ha、内森林面積95,880ha(林野率77%)、組合員数2,730名、生産量として年間45,000~50,000㎥あり、県内でも全国的でも平均的な規模の組合である。
今回、雄勝広域森林組合の代表理事組合長であり、秋田県森林組合連合会の会長や全国森林組合連合会の代表理事会長の重責を兼務されている佐藤重芳代表理事組合長と高橋勝也参事両氏にお話を伺う時間を取っていただけた。
「雄勝広域森林組合は、私たちの生命の源である『きれいな空気』や『きれいな水』を与えてくれる森林を守る担い手として、地域に貢献することが重要と考えています。そして組合員の生活を守るためにも健全な経営をしていくこと、コンプライアンスを守ることをモットーに活動しています。
ただ森林組合や林業家の方々の努力にもかかわらず、雄勝だけでなく日本全国で林業を取り巻く状況は厳しいものがあります。立木価格の低迷に伴い、山林所有者の経営意欲の低下から適切な管理が行われていない森林が増加し、もっとも大切な山の循環がストップした状態になっています。人工林の高齢級への偏りを解消し、次代のために森林の再生が必要です。主伐して、その主伐地に確実に再造林する。そのことを言い続けてきましたが、やっと最近林業の未来に明るい光が見えてきたかなと感じています。国土保全は国レベルの仕事です。50年100年の将来を見据えて、ここは経済林として活用する、ここは自然林として保護すると、国が山をデザインすることが必要だと考えています。」