住友建機株式会社SUMITOMO

ヨシカワ(石川県)

美しい森林を
次の世代に伝えたい

将来の林業の重要性を思い高性能林業機械の充実を図る

 株式会社ヨシカワは、昭和5年に創業され荷車のレンタルで好評を博し、併せてウインチやジャッキなどの製造販売で社業の発展を見た。そして、高度成長期の建設ブームにはそれまでの道具から建設機械へとレンタルの主力商品は変わり、昭和50年代になると、重機や大型の建設機械へとレンタル商品の多様化が進んでくる。また、10年前より新たに高性能林業機械のレンタルを開始し、時代の変遷や顧客のニーズに的確に応えることで、現在は地元金沢を初めとして、北陸、中部、関東、東北と、9県40か所の営業所を構えるに至っている。着実に発展を続ける同社の吉川義一社長に林業機械の導入への経緯をお聞きした。
 「ある時、CO2削減をテーマとしたテレビ番組を見ました。要約するとCO2の削減には木を育て、森を育むことが必要で、自然のあるべきサイクルを守ることがいかに大切かという内容で、将来の国土保全を考えると林業が極めて重要で、今後は地球環境の保護に貢献する仕事が自分たちにも求められると考えました。2007年、当時の住友建機の専務に高性能林業機械のビデオを見せてもらい、『とにかく、この機械が面白い、欲しい』と思い、即座にハーベスタを2台購入しました。」
 その少年のような思いつきで購入した2台が、現在では300台の林業機械を保有することになるのだが、それを支えた社員の方々の努力も忘れてはならない。

お客様によって違う製品調整と取扱説明ができる人材育成に尽力

 岸常務や林業推進部の谷内部長に、当時のご苦労や現在も留意している点を語っていただいた。
「当初林業機械は購入されるのが中心で、レンタルは中々受け入れてもらえませんでした。ストローク式のハーベスタは仕事が遅いという印象があったようで、それを払拭するため、お客様の作業内容によって適正に製品調整をしてお試しで使っていただくことによりストローク式の良さを理解して頂けるようになりその結果、ご注文がいただけるようになりました。高性能林業機械は、搬入時にお客様の作業内容によって適正な製品調整とその取扱説明をすることが非常に必要です。建設機械とは違い、そのための社員教育が必要でした。顧客の要望を正確に理解し、ベースマシンも、アタッチメントも調整できるプロであり、かつ仕事ができるだけでなく、お客様と話ができ、マネージメントもできる人材の育成に尽力しました。また、お客様の多様なニーズに応えるため、豊富な機種を揃える必要がありました。 更には、林業機械を使う現場は山の中なので、絶対にトラブルが発生しないように機械の点検・整備、万が一のトラブル発生時の迅速な対応は、最重点事項として取り組んでいます。」
 株式会社ヨシカワの林業機械との10年にわたる誠実な取り組みは衆知のこととなり、富山県農林水産公社主催「緑の雇用」フォレストワーカーの研修を委託されるまでになった。
 最後に吉川社長に会社の理念をお話いただいた。「お客様の期待通りのものを提供しても感動はありません。対価以上のものを提供してこそ、お客様に認められお互いの関係は深まると思っています。お客様と現場に入り、共に考えることで他社との差別化が図れるのです。建設機械の対象は無機質なものでしたが、林業機械の相手は生きた木で、違った視点と発想で取り組むことにより、お客様により良いものを提供できると思っています。」

●レポート 北陸支店    山森  勝之

 

メンテナンスのエキスパートによる講習風景