住友建機株式会社SUMITOMO

苫小牧バイオマス発電株式会社(北海道)

バイオマス発電を通じて
地元に貢献する

未利用材からの発電事業で森林環境と地域の振興に貢献

 苫小牧バイオマス発電株式会社は、三井物産(株)、(株)イワクラ、住友林業(株)、北海道ガス(株)の共同出資により平成26年8月に設立された新会社です。(株)イワクラの本社隣地において発電規模5.9MWの発電施設を建設し、再生可能エネルギー固定買取制度(FIT)を利用し発電事業を行うもので、平成28年12月の稼働開始を目指しています。発電した全量は北海道ガス(株)に販売する予定です。
近づく稼働開始のお忙しい中、代表取締役社長 塚田洋平氏に設立の経緯などを伺いました。
 「三井物産では、数年前からバイオマス発電の計画があり、その用地を全国的に選定していました。三井物産は日本企業で第四位の広さの社有林を全国に保有しており、その約8割が北海道に位置しています。そこで出た未利用材を燃料として発電するというところからプランが始まりました。そして北海道の中で建設用地を探していたところ、社有林を管理している三井物産フォレストがイワクラさんとお付き合いがあり、今回この場所が適地であると紹介していただき事業計画が動き出しました。未利用材を燃料としてバイオマス発電を行うことで、新たに木質チップ年間約6万トンの木材需要が発生し、なおかつ森林環境の整備促進や地域の振興に大きく貢献するほか、雇用の創出など社会的に有意義な事業になります。今はまだ準備段階でありますが、今日まで事業がスムーズに進展しているのはパートナーに恵まれたことが大きいと感じています。燃料となる未利用材の確保も、特に心配していません。本格的に発電が始まると次は効率化のことになると思います。現在は約8.5万トンの在庫を保有していますが、ゆくゆくは3万トン前後、半年分くらいの在庫に抑えたいと思っています。将来的には、稼働の状況をみて二号機の建設など事業拡大を考えています。」

貯木場の広さに合うSH250MHは使い勝手も良し

 今回の事業開始に併せて、弊社住友建機から機械を購入いただいた理由もお話しいただきました。
 「一番の理由は貯木場の広さですね。比較的狭いので出来るだけ高く安全に積みたかったのでキャビンが上昇し腕の長いタイプのものを探し住友のSH250MHにしました。あと小型ショベル(SH135X)も2台、チッパー投入用に採用しました。使い勝手も問題ありません。」とのお言葉をいただきました。次に新会社に共同出資され隣地に本社を構える(株)イワクラ管理部技術開発室の高橋賢孝室長にお話を伺いました。
  「イワクラは大正2年の創業以来、木を原点とした事業に携わっています。林業として現在は国有林の造材、造林が主体です。バイオマス発電事業に関しては何社からかオファーがありましたが、三井物産から創業100周年を迎えるに当たりお話があり、同社が北海道に社有林を保有されており、現会長が以前に仕事でお世話になったことなど色々と『ご縁』を感じたことがきっかけだそうです。
 新事業に関しては木質燃料の集荷調達の一端を担わせていただいています。材の安定供給がこの事業のキーになりますが、木を100%使いこなすのがイワクラの理念で、長年にわたり蓄積したノウハウで貢献したいと思っています。」

●レポート 札幌支店 上野  雅紀