
平成10年、小田原緑化開発(株)は、群馬県北部に位置する沼田市で設立された。沼田市は、周囲を深い森に囲まれており江戸期に両国橋の改修にケヤキ材の供出を命じられるほど、古くから木材の集積地として有名な土地柄であった。
現在では近隣の森は国有林が広い面積を占め、同社も国有林の伐採工事、開発事業に伴う伐採工事、土木工事、チップ製造、解体工事などを主な業務として発展してきた。平成20年には産廃部門を分離独立し(株)オダワラとして法人を設立した。その後バイオマス発電所の参画企業として、(株)バイオマス群馬に株式の出資をするとともに、発電所に自社の中間処理施設でチップ化したものを燃料供給している。創業者で代表取締役の小田原会長にお話いただいた。
「このあたりは、山ばかりで産業といえば林業だけ、あとは薪炭と養蚕くらいかな。林業といっても私が子どもの頃は、山形から木挽きさんに来てもらって、切った木も馬ソリで運ぶようなことをしていましたね。若い頃も、10tクレーンで木をワイヤ吊りしたり、チェーンソーで枝払いも玉切りもすべて人の手でする、その程度の機械化でした。けれど、ある日知人の会社でバックホーやグラップルを見て考え方が変わりました。これからはこの機械が仕事では絶対に必要になってくる。そう確信しました。ただ会社を作ったばかりの頃は、お金も余り無くて住友さんと縁があってお付き合いが始まったわけですが、導入した住友さんの機械は、思っていたよりずっと良い性能で、けっこうよく働いてくれました。」