
平成12年に大船渡市、三陸町、住田町の森林組合が合併して気仙地方森林組合は発足した。
組合員は、正組合員数3,185名、準組合員347名、合計3,532名、職員23名で構成されている。
管理区域は前述の2町1市で47,300ha。そのほとんどが人工林で、樹種は52%をスギが占めている。地域には10万㎥を消費する製材所が4か所あり、主にスギ材を建築用材として加工している。
合併以前、住田町は育林主体で機械化が遅かった。対して大船渡市は公有林が少なく民有林主体であったが、民有林の仕事は低コストで、林業機械の導入によって効率化を進める必要があり、多く保有していた。ただ当時大船渡市で保有していた機械は、旧型、小型で伐倒もできない機種だった。組合の舘脇参事からお話いただいた。
「それまで、あまり馴染みのなかった住友の林業機械のパンフレットを見た時、機械の性能の違いが一目瞭然でわかりました。
導入したSH120-5KESL Aハーベ スタを実際使用すると、測尺の精度や枝払いの作業性能の高さは、パンフレットに 記載された数字以上に感じ、非常に驚きました。林業機械というよりロボットに近いですね。林業体験などで来た子どもたちも大喜びします。」後日組合からプロメンテのご契約も追加発注いただけた。
以前の取材で枛木澤組合長から大震災のこと、その後の復興に関するお話を伺う機会に恵まれた。
「三陸町も大船渡市も津波で甚大な被害を受けました。組合の三陸支所も津波で全壊しましたが、林業用の重機はすべて山にあり無傷でした。
グラップルを使い、津波後の瓦礫処理をして道路を確保したいと思っていましたが、なかなか役所から要請が来ず、何もできずにいました。3~4日してやっと連絡があり、その後2か月あまり、建設業者が機械を集めて仕事ができるようになるまで、瓦礫撤去の作業に従事しました。他にも復興のお手伝いは色々させていただきました。
昨年度で終了しましたが、高台移転のための復興道作りで森林の先行伐採の作業にも参加しました。」また、舘脇参事からは「陸前高田市の広田湾にはカキの養殖筏がたくさんあったのですが、それも津波ですべて失われました。
カキ筏は末口8cm、元口で16cm、長さ10.5mの長尺のスギ材を格子状に並べて作ります。すべての養殖筏を100%木材で作り復旧しました。」とのお話を伺った。