
美深町にある齊藤重興業は、昭和48年の創業時は土木主体の会社であった。平成10年、取引先の会社が倒産し、その事業と社員を引き継ぐ形で林業に進出することになった。
「当初3年ほどカラマツが全く売れない時期が続きました。タダでもらっても合わないくらいでした。当然他社は手をつけません。ただ自分の事業の覚悟として、人が手をつけないもの、そこに自分たちの活路を見出そう。そのためには高性能機械を入れて生産性を上げることしかないと考えました。」齊藤専務は当時を思い出しながら言葉を続けられた。
「機械導入以前は、手仕事で冬場に天然林の伐採をしていました。一本一本スコップで2mほど積もっている雪を掘り、チェーンソーで伐倒し、枝を払い、玉切をしてと。一本の木が高く売れたからそんな仕事が出来たんです。」しかし、平成19年に道庁が天然林の伐採を中止し、道有林のトドマツの人工林の伐採が主流になると単価の下落は進み、その状況に対処するため高性能林業機械の導入による生産性の向上がますます重要な課題となっていく。現在、キャリアを改造したフォワーダ5台、ブルドーザ5台、ショベル5台と社員数より多い林業重機導入の成果は生産量にしっかりと反映されている。
「私は今まで、あれもこれも出来るという色々な機能を持つ機械は、結局何も出来ない機械だという認識を持っていました。今回導入したSH135X-6ストローク式ハーベスタは違います。枝払いの機能が高い。太くてしっかりしている枝も簡単にやっつけるので私の中ではかなりの高評価です。
他メーカーにはないですね。それと住友さんの強みは営業の人が来てオペレータの話を聞いて、それが順次製品に反映されていくところですね」
現場仕事を理解しておられる齊藤専務の高評価は素直にうれしい。