住友建機株式会社SUMITOMO

越智重機林業(北海道)

美しい山を次の世代に
つなぐために

要望に応えてくれる住友建機を使うことが多くなった

 越智重機林業が所在する上川郡下川町は、町面積の約90%を森林が占め、農林業を主産業とする町である。かつては鉱業も盛んで、下川銅山が稼働していた頃は人口も15,000人を超え鉱山の町として繁栄していた。1980年代に鉱山が閉鎖されて以降、過疎化が進み現在では人口も3,000人余りに減少している。

 ここ下川町で40年間、林業一筋に歩んでこられた越智重機林業の代表者 越智一博様にお話しを聞かせていただいた。

「下川町は林業の町といわれていますが、以前は9社あった林業関係の会社も、今は弊社と森林組合と後もう1社の3社だけになっています。弊社の概要は、作業員は私を含めて5人。素材生産量は、昨年は皆伐の仕事があったので17,000㎥ほどありましたが、例年は12,000~13,000㎥です。内訳は、道有林40%、町有林20%、国有林10%、民有林30%くらいの比率です。施業範囲は下川町、上川北部、美深町になります。上川郡全域で同じ場所で大きくまとまった仕事がないので、移動が多く効率は悪いです。所有している機械は、グラップル4台、フェラバンチャ2台、ハーベスタ3台、フォワーダ4台になります。

機械のメーカーは特に決めていませんが、最近は住友建機のものが増えています。こちらが提案した要望などが、機械に反映されているのがありがたいですね」

次世代につないでいく為のポリシーとは

 越智代表は続けて、会社の成り立ちについてこのように話す。

「自分で越智重機林業を始める前は、10年間ほど他の会社に籍を置き、機械を持ち込みの形で林業に携わっていました。当時は、このあたりは資源に恵まれ、天然林の本当に立派な木ばかりの素晴らしい森が広がっていました。お世話になっていた会社の社長さんも本当に良い方でしたが、林業の業界全体が、国産材が外国材におされてだんだん不況になっていく時代でした。昔ながらの仕事の仕方では効率が悪く、このままでは大変なことになると、何度も会社に改善案を提案したのですが聞いてもらえませんでしたので、これはもう独立して自分の考えた方法で仕事をしなければと思いました。決意した後も、お世話になった会社にお礼奉公のつもりで1年間勤務して平成3年に独立しました。

独立当時にもっとも苦心したのは伐採した木の搬出でした。昔のやり方は雨が降ったら運べないと諦めて、晴れた日に搬出するだけでした。独立した時に購入した中古のキャリアダンプを使って雨の日でも運べるようにと、鍛冶屋さんに頼んでゴムローラー用の特注のチェーンを作ったり、とにかく試行錯誤の日々でした。グラップル自体がまだほとんど無かった時代ですから、改造したりして作業効率を上げることに努めていました。独立して4年ほどたった時、ハーベスタのデモ車を見て、これからはこれが必要だと思いすぐに購入しました。高性能林業機械は、造材の仕方を変えてしまいました。

作業効率を高める努力は今も続けていますが、山仕事をしていく上で私が心がけていることがあります。それは、どんな仕事も断らないこと。人がやらない仕事、広葉樹も嫌わないで、手間がかかっても、お金にならなくても、山作りの為に、次の世代につなぐ為に、誰かがやらなければならないことをやる。それが私の信念です」

レポート
旭川支店
永井 新市