住友建機株式会社SUMITOMO

株式会社 昭林(岩手県)

豊かな森林資源と優秀な
人材育成で林業の未来を拓く

(株)昭林は、昭和35年盛岡市で素材生産を主な事業目的とし昭林興業(株)の名称で創業された。その後平成3年に大船渡市、宮古市、遠野市を基盤とする三陸林産興業(株)と合併し北上山地での事業が主力となり、社名を現在の(株)昭林に変更した。
平成24年には、大船渡市に工場を構え、木材チップの製造販売を業務としていた進誠産業(株)(本社:東京都新宿区)と合併し現在に至る。合併当初より、代表取締役として(株)昭林を率いてこられた小林拓夫様にこれまでのご苦労されたことや会社の今後についてなどをお話しいただいた。

 


 

信頼できる林業機械とともに

代表取締役 小林 拓夫様

「現在の弊社の事業規模ですが、社員数は素材生産に携わる山林部が56名、製紙用や食品燻製用のチップの製造に携わる製造部が30名の合計86名在籍しています。昨年度の実績は、山林部が作業班9班体制で80,000㎥、製造部の木材チップ生産量が4,500tです。林業機械は、フェラバンチャーザウルス9台、ハーベスタ6台、プロセッサ4台、グラップル、グラップルソーなど21台、フォワーダー14台の合計54台を保有しており、ショベル系40台のうち15台が住友建機製とメジャーになっています。
 平成3年の合併で従業員も増え、それに伴い生産量も大幅に増加しましたが、当時はアカマツや広葉樹を主に生産していたので、機械化は遅かったと思います。平成16年頃から、遠野営業所でスギやカラマツの生産が増加してきたことで高性能林業機械を使用する作業が標準になってきました。機械化が進むことで、生産量も上がりましたが、それ以上に3Kと言われていた山林作業現場での事故が減ったことが喜ばしいことでした。給与も含め、安定したやりがいのある安全な働く環境を整えていくことで、優秀な若い人材が入ってくるようになりました。住友建機さんには、新しい技術を搭載した安全性の高い、生産性をアップする次世代マシンを開発していただくことを期待しています。」

大震災を乗り越えて

「苦労したことは、なんと言っても東日本大震災により大きな被害を被ったことです。弊社のメイン工場であった大船渡工場(チップ工場)が津波で全損、操業が不能となりました。人的被害がなかったのが救いですが、売上は70%以上の減となりました。大船渡営業所は辛うじて被災を免れましたが、沿岸部にあった製材所、合板工場、製紙工場、チップ工場など木材を買ってくれる事業所が、ほぼ全てが被災し木材需要は激減しました。
 岩手県山田町に工場を移転して被災後4ヶ月ほどで操業を始め、再建を図りましたがその後数年債務超過の状態が続きました。会社が再建出来たのは、取引先・同業者組合・金融機関など各方面からの支援の賜物だと心より感謝しています。今後も取引先・従業員・株主から信頼され、これに応えられる事業体として成長していきたいと考えています。」


レポート:盛岡支店 藤澤 祐

SH120-7 PONSSE H6

左:SH120-5 MSE フェラバンチャーザウルスロボ
右:SH120-7 PONSSE H6