住友建機株式会社SUMITOMO

住友建機のICT施工

誤差は5ミリ以内、元請け大絶賛!

専務取締役 森川宏幸氏

株式会社友進

(岐阜県美濃加茂市)

ICT施工に乗り出す企業が増える中、早くから取り組んできたのが、岐阜県美濃加茂市に本社を置く友進だ。8年ほど前にICT導入に挑戦し、試行錯誤しながら技術力を磨いてきた。いまでは「ICT施工」を前面に押し出し、他社との差別化によって業績を伸ばしている。

ICTフィニッシャのオピニオンリーダー

HA60W-8J・paverにセットされたコントロ ーラーを操作しながら舗装を進める。現場はトラックヤード。

友進は道路工事を主力とし、水路や治山、橋梁補修などの土木工事、民間外構工事など幅広く建設工事を手掛けている。それを支えているのがICT建機だ。8年ほど前、モーターグレーダーにマシンコントロール(MC)を搭載したのを皮切りに、各種建機に導入している。

「導入のきっかけは人材不足」と、森川宏幸専務が振り返る。

「当時は仕事が増える一方で、オペレーターが足りず、ちょうどそのころMCが出てきたのです。人材不足の解消になればとモーターグレーダーに入れたところ思いのほか使いやすく、丁張や検測作業の省略など、効率化も図れました。そこでブルドーザー、ボブキャットなど、敷き均しの機械に本格的に導入。さらにフィニッシャにも入れようということで、7年前に住友建機の『HA60W -8J・paver』に3DMCを導入しました」

フィニッシャでのICT施工は当時、全国的にも例が少なく、思い切った決断だった。

精度が高く、時間管理がしやすい

設計データに基づいた舗装がなされているか、ト ータルステーション(右)とポジショニングゲージ(左)を使って検査しながら作業を進める。

森川専務は、ICT建機導入のメリットについてこう語る。

「生産性の向上もありますが、精度の高さが大きな効果です。例えば1000平米の舗装をした時に、3センチのところや、7センチのところがあっても、アスファルトは目で見て厚さがわかりにくい。それを全部5センチで舗装することが大事で、ICT施工だとその精度が容易に出せます。品質を求めるお客さんはそこを見ているので、きちっと応えられていると自信をもっています」

さらに続けて、ICT建機の導入効果として、仕事の時間管理もしやすくなったと森川専務は評価する。

「不慣れなオペレーターでも、作業にかかる時間はベテランとほとんど変わりません。従来は舗装にかかる時間が読み切れないことがあり、予定時刻を過ぎても終わらないことがしばしばありましたが、いまではそういうことはほとんどなくなりました。残業も基本的になくなりましたよ」

直近4年間で売上げは59%アップ

ICT施工に必要な3D設計データは、すべて社内で作成している。「現場監督ではなく、オペレーターが作成します。自分で作成し、建機を動かすことで、よりいっそう勾配などに気を配るようになるからです」(森川専務)

ICT建機は高額のため、導入に二の足を踏む企業が少なくない。森川専務も「当社も不安がなかったと言えばウソになります。ただ少しずつ、自社の付加価値として売り出せるようになりました」と話す。

「導入5年目くらいからお客さんの反応が少しずつ出てきて、ICTを使ってほしいという要望が増えはじめました。いまではICT施工に対して適切な代価をいただいています。この地区で、弊社ほどICTを使いこなせる会社はないとの自負があります。弊社は路盤から舗装まで一括でICTを使っていますが、他社の場合、部分的に使ったり、一部は外注に出したりしているケースが多い。その点で早くから取り組んでいる当社は頭一つ抜け出していると自信をもっています」

他社もICT施工に追随する中、友進は技術力でリードしており、それは業績にも表れている。売上高は16年から20年まで4年間で約59%増加した。ICT施工に力を入れたことで技術力が向上し、新規のお客さんが増えているのだ。